僕がタイ式の講師として活動したての頃、習ったことを忠実に寸分たがわず教えることが正しいと思っていました。
今ならそれはあまり良くないと思えるのですが、その当時、タイの学校で習ったことが絶対的な正解と思っていました。
なのでちょっとした手の向きや足を置く位置、本当に細かく修正していました。
ITM本校ではこう教えていますと。
もちろんそれが全て間違っているとは思わないですが、僕と同じ体型・同じ柔軟性・同じ筋力、それならそれもアリなのかなと思います。
基本に忠実に正しい型を教えていく。
間違ってはいないですが、型にこだわりすぎて大事なことを見過ごしていました。
生徒さんたちは手技を正確にこなしたくてタイ式マッサージを習っているのではなくて、施術効果を得るためにタイ式の手技を習っているということ。
当時はまだその意識が薄く、正しい型にばかり目がいっていました。
タイ式に関しては正解は一つではないことも多いのでもっと柔軟に考える必要があったなと思います。
ITM本校で教えていても英語クラスと日本語クラスで教えていることが少し違うことがあったりします。
もっと言えば先生によって違うこともあります。
ですがそれは、そのどちらかが間違っているのではなくて、そのどちらも正解だったりします。
大事なのは形ではなくどこの部位に働きかけているかということ。
そのアプローチの仕方は一つではないんですよね。
施術者によっても、受ける人によっても必ずこうでなければという絶対的な正解は意外と少なかったりもします。
「相手の大切な体を傷つけない」その絶対的なルールは必ず守らなければいけませんが、
「何を狙っているか」
その意識がブレず間違っていなければ多少の違いは許容すべきなのかなと思います。
押し方にしてもそう。
圧の入れ方抜き方のリズムやペース、こねるような押し方、グッと押し込むようなストレッチ。
この辺の違いはそのままそのセラピストの個性につながる部分だと思います。
この押し方は一般的じゃないからと無難な押し方に修正してしまってはせっかくの個性を潰すことにつながります。
一般受けする方法はそれとなく教えて、その人がいいと思うやり方をしっかり尊重する。
教える方としては少しモヤモヤしてしまうこともあったりしますが、そういった個性や感性が合うお客様は必ずいるので、生徒さんの個性を大切にしながら今後もタイマッサージの楽しさを伝えていこうと思います。
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